新たなノラ、白ちゃん

まだ子供の顔をして人を怖がらなかった白ちゃん。

捨てられたことが実感できていなかった。おそらく年末の夜に車で来た飼い主が置き去りにしていったと思われる。

それまでは大事に飼われ、餌に不自由することもなかったのだろう。

しかし年が明け、白ちゃんが暮らすことになる川の側の場所は、雪が降る寒い公園になった。

白ちゃんは、高圧線の鉄塔の下辺りを住み家とするようになった。

私が行って呼ぶと走って来た。ベンチに座り、もう一度呼ぶと、確認するように私の目を見てから、膝の上にのって来た。


ある日、白ちゃんの姿が見えなくなった。


「誰か状況が許す人で、このネコを飼ってくれる人いないですかねえ」
散歩がてら、立ち止ってこちらを見る人に私は次つぎと声をかけた。

それまでノラちゃんたちに餌をあげに来ていたおじさんが腰を痛め、そのおじさんから頼まれたと言って餌をあげに来るおばちゃんに訊いたところ、
「誰か連れて行ったようだよ」と。

「わたしも、あのおじさんから、猫の餌を頼む、腰を痛めたから、と言ってお金を渡されるようになったから仕方なく来ているけれど、そうでなかったら、この辺りのネコに餌を上げに来やしないよ」

おじさんは、十数匹のノラちゃんたちの餌と水を持参して歩き回っているうちに、すっかり腰を痛めてしまったようだ。

それを知っているおばちゃんは、断れなかったのだと思う。たまには、通りがかりに気になって数匹に餌をあげることがあったのだが、毎日餌やりに来ることになるとは。
「餌代だけでも大変だもの」

おばちゃんは、毎日自転車の荷台のカゴに一杯食料と水を積んで午後4時頃やってくる。

私は、白ちゃんに餌をあげたことはあるけれど、二度だけのこと。

白ちゃんがいなくなっても、私はノラちゃんたちが潜んでいる場所辺りをウォーキングついでによく訪れる。

白ちゃんが以前いた高圧線の鉄塔の下辺りには、今度は全身が白の、ほんとうの白ちゃんが住みついている。

いつごろ捨てられたのか、連れて行かれた白ちゃんと同じ頃に捨てられたのだろうか。

それより前には見かけなかったネコちゃんだ。
連れて行かれた白ちゃんよりずっと警戒心が強く、呼んでも餌が見えなければ近寄って来ない。
あの白ちゃんよりは齢とっていることに間違いないだろう。


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